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束の間の出来事

考えたことを忘れないようにするためのもの。

色鮮やかな葛藤

 12月ももう折り返し地点。2016年はあっという間に終わりそうで、2016年というものを思い返すと、昔と今の自分で明らかに変わったことがあるなあと気付いた。記憶力の向上である。正しくいえばそれは、記憶力ではないのかもしれない(間違いなく中学生や高校生のときの方が英単語を覚えるのが早かったと思うし)。一体なんと呼べばいいのだろうか。

 2016年を振り返るとき、それは2015年の終わりに2015年を振り返る時よりも遥かに、1年の中でどんな出来事があってどんな事を考えていたのかをよく覚えていたのだ。1年というものを体系化するのが前よりも上手くなったのだと思う。それは一体何故だろうか。2016年というものは、2015年に比べて各段にインパクトのある出来事が多かったからかもしれないし、大学という新しい環境だったからかもしれないし、今までに比べて何倍もコミュニティが広がったからかもしれない。

 明らかに失敗したことがたくさんある一年だった。明らかに道を違える多い一年だった。けど、明らかに今まで一番記憶が鮮やかな色彩を持つ一年だった。2016年が始まった私が想像したことは何一つ当たらなかった。私はあの人と一緒にいて、こんなコミュニティの中にいて、こんなバイトをしていて…という未来像と今の私はことごとく異なる。今周りにいる人、好きだと思えること、考えていること、どれも想定外のことばかりである。けれどそれに満足出来ている自分がいて、とても幸せなことだと思えた。

 それは記憶力の向上というよりは、様々なことに対する思索が増えたのだいうべきなのだと思う。そう、思い返すとよく自問自答していた1年だった。自分はこのままで良いのだろうか。自分のこの選択は間違っていなかったのだろうか。よく焦ったし、お陰で間違いもしたし、何か掴んだと思いきやこれは違うと嘆いて、学科の名に恥じずよく悩んだものだった。(哲学科である) しかし、最終的に今自分の手の中にあるものに後悔はないし、2016年はとても良い年だったと思える。

 悩むというのはただただ苦しみしかないし無駄なことだと思っていたけれど、こうして振り返ると良いものだったなと思えるから不思議だ。それだけ日々に懸命に取り組んでいたということなのだろうか。2017年がどうなるかは予想したところできっと想定外のことばかりなのだろうけど、目の前にある出来事に真摯に向き合う姿勢だけは貫こうと思えた。その先には、悩んだ分だけの成果が得られるのだから。きっとそれに気付けたことが2016年の一番の収穫だろう。